『失われた7枚』if 〜ピーターパン編〜
「海賊ごっこー!」
「きゃー、海賊に襲われるー☆」
「ふっふっふっ、大人しく俺の言う通り実験台に……」
「蹴りぃぃぃぃぃっ!!!」
「ぐはぁっ!?」
「ロウクス君っ!いきなり何をしようとしてるのよっ!
ユリア師団長……い、いえ、
ユリア姉さんも変な遊びしないのっ!」
「え?なになに?私達姉妹なの?」
「あれ?
ピーターパンに登場する子供達って、
男の子が2人と女の子が1人じゃなかったか?」
「役割配分の関係上
そういう設定になってしまったのよ。
ねぇ、ママ、パパ?」
「はい?」
「なんだ、呼んだか?」
「……ちょっと待て、こいつらが親なのか?」
「何か文句あるのか?子供達よ。」
(『あなた、今晩は月が綺麗ね。』『君の方が綺麗さ。』
『そんな……。』『君のもっと綺麗な姿を、見せておくれ。』
『だめ、子供達が起きてる……あっ……。』)
「……ママ?」
「良い子は寝る時間だ。
いつまでも狭い部屋で騒いでないで、
とっととベッドに入りなさい。」
「騒がれるのがいやだったら子供部屋もっと大きくしろよな。」
「賛成ー☆
あたしもお年頃だし、
そろそろ自分の部屋が欲しいなー☆」
「だめだ。
この家にはいまさら改築する余地は残ってない。
どこか家が壊れれば話は別だが。」
「……ってことは、家が壊れればいいんだな?」
「ロウクス君、何かよからぬこと企んでいるわね?」
「ああ、いや、なんでもない。」
「さぁ、
子供の時間はもうおしまいよ。
早く寝なさい。」
「これからは大人の時間なのね、レナードちゃん☆」
「ユ、ユリアっ!」
「きゃー☆
怖い怖いー☆
おやすみなさいー☆」
「……なんだかもの凄い家族構成だな、おい。」