『失われた7枚』if 〜ピーターパン編〜
「マルス!
さっきから姿を見ないと思ったら、
お前さては隠れてたな!?」
「んんんっ。フック船長とピーターパン亡き今、」
「いや、まだ生きてる。」
「あそこ泳いでるわよ。」
「んんん。
とにかくこれでネバーランド町内会長の座は
マルス君がもらったっ!」
「……ネバーランド、」
「町内会長?」
「んんん、そう。」
「まさか、そんなことで揉めてたのか?今まで?」
「んんん。知らなかった?」
「知るかぼけぇぇぇぇっ!!!」
「じゃあひょっとして、子供ばかりの国ってのも……。」
「んんん。
そうすれば選挙権持った人間が少なくなるから、
町内会長に当選するのも夢じゃないからね。」
「どんな理由だぁあああああっ!!!」
「んんん、だってマルス君貧乏だし。」
「理由になってねぇええええっ!!!」
「じゃあここは間をとって俺が町内会長ってことで……」
「蹴りぃぃぃぃっ!!!」
「ぐはぁっ!?」
「話を余計にややこしくするんじゃありませんっ!」
「んんん、強いっ。
じゃあエリーゼ君が町内会長ってことで。」
「え、え、私っ!?」
「きゃー☆ エリーゼちゃんすごーい☆」
「んんん、というわけで町内会長、早速ご命令を。」
「うん、それはめでたい。」
「ちゃきーん。」
「……お前ら、いつの間に戻ってきたんだ?」
「ちゃきーん。」
「とにかく、私達を家に帰してくださいっ!」
「んんん、じゃあこの船で送ってあげよう。」
「え、船で? どうやって?」
「まさか魔力誘導方陣で空を飛ぶなんて言わねぇだろうな?」
「魔力誘導方陣?」
「魔力方程式を図式化したものよ。
実現したという記録は公式にはまだないけど、
不可能じゃないはずなの☆」
「んんん、その通り。
ティンカーベルが船の至る所にはなまるぅを描いてくれたから。
ほら、それが魔力誘導方陣。」
「はなまるぅ☆」
「……なんでそんなことのためにわざわざ伏線張ってるんだよ。」
「うん、とにかくみんなで協力して君たちを家に帰してあげよう。」
「わーい☆」
「どうでもいいけど道に迷うんじゃねぇぞ。」
「うん、たぶん。」
「たぶんってなんだよ、たぶんって。」
「さぁ、それが僕にもさっぱり。」
「はなまるぅ☆」
「…………こいつらは……。」