『失われた7枚』 〜大江戸if 悪代官編〜
「ないぞ!ない、ないぞっ!」
「どしたの、おじーちゃん?」
「南蛮渡来のみるくくっきーがないぞっ!どこいったっ!?」
「えー?食べたんじゃないのー?」
「いや、儂が数え間違いをするわけないっ!
おい!
侍大将セルシウスっ!」
「あ、レナードちゃんなら
さっき逢い引きに行くとか言って出ていったわよ☆
きゃー、破廉恥ー☆」
「ええーい、使えん奴めっ!
こうなったら誰でもいいっ!
誰か、誰かこいっ!」
「将軍様、お呼びでしょうか?」
「ベルっ!お前か儂のみるくくっきー食ったのはっ!!!」
「ちょっとまて何故いきなりそうなるんだぁぁぁぁぁっ!
俺じゃないったら俺じゃない。
このあいだ一瞬企んだけど俺じゃない!」
「ほほぅ、企んだ、とな?」
「はぅぅぅぅぅ、余計なことを言ってしまったぁぁぁぁっ」
「ということはやはりお前か?」
「ねー、やっぱりおじーちゃんが食べたんじゃないのー?」
「いや、違うって。ほら、ユリア姫だってそう言っているだろう? な?」
「む…………わしのかわいい孫がそう言うのならば仕方在るまい……。」
「あ、でもグリフィスちゃんかもー☆」
「やはりお前かぁっ!!!」
「嘘だぁぁぁぁっ!!! ユリア姫ぇぇぇぇぇっ!!!」
「お取り込み中、失礼」
「グラン……た、助かった」
「そうそう、失礼だから帰って、グランちゃん☆」
「左様か左様か。ではこれにて失礼」
「帰るなぁぁぁぁぁっ!!!!」
「だが姫が帰られよと仰せに……」
「そんなこと真に受けるなぁぁぁぁっ!!!」
「して、何用だ?」
「はっ。将軍様のみるくくっきーを盗んだのは出入りの商人アシストにございます。」
「え?どうして知ってるの?」
「拙者、しかとこの目で見届けていたでござる。」
「見届けてないで阻止しとけぇぇぇぇぇっ!!!!」
「ほう……ならばお前達!
儂のみるくくっきーを取り返してこいっ!
さもなくば今ここで儂の刀の錆に……」
「はぅぅぅぅぅぅぅぅぅ。
行って来ますぅぅぅぅぅぅ。
ってゆーか、これって本来秘書の役目じゃ……」
「グランっ!ベルっ!
つべこべ言わずにとっとと探しに行って来いっ!
それともやはり刀の錆に……」
「はぅぅぅぅぅぅぅぅぅ。行きます、行きますぅぅぅぅぅっ。」