「くっ！」

「んんん、
　爆発をうまくよけるとは、
　お主なかなかやるなっ！」

「覚悟めされよっ！」

「んんんっ！なんのこれしきっ！」

「俺様の、華麗なる高枝切りバサミ攻撃ぃぃぃぃっ！！」

「だぁぁぁぁっ！！！そんなに遠くから攻撃とは卑怯だぞっ！」

「なにっ！？俺様の華麗なる高枝切りバサミに対して卑怯とはっ……許せん！」

「だぁぁぁっ！　あぶねぇなぁぁぁっ！」

「ベル殿……ここはやはり……」

「ああ、やはりここはこっちも助っ人を呼ぶしかないかっ！」

「んんんっ、おもしろそう。呼んでみて。」

「いいか、後悔するなよ？」

「んんんっ！」

「来い、湯川っ！」

「……専務？」

「いや、そっちの湯川じゃなくて。」

「湯川先生っ、お頼み申すっ！」

「先生？
　……ふむ？ここで裏切った方がおもしろそうだ？
　左様か左様か。だそうでござる。」

「だぁぁぁぁっ！あのやろぉぉぉぉっ！！！」

「たった今から俺は代官側の味方ということで。」

「んんんっ、頼もしいっ！」

「ちゃきーん。」

「というわけで覚悟されたし。」

「湯川っ！何故裏切ったっ！？」

「その方がおもしろそうだし。」

「……そんだけ？」

「そんだけ。」

「あほかぁぁぁぁぁぁっ！！！」

「なにっ！？俺様の高枝切りバサミに対してなんたることっ！」

「お前に言ってねぇぇぇぇぇっ！」

「……裏切り者め。」

「お前だぁぁぁぁぁぁぁぁっ！！！！！」

「んんん。
　じゃあこうしよう。
　袖下に山吹色のお菓子を入れてくれたら見逃してもいいよん。」

「戦ってから言うなぁぁぁぁぁっ！！！」

「んんん。だから言ったじゃない、タダでは帰れないって。」

「理屈になってねぇぇぇぇぇっ！！！」

「左様か左様か。
　ここに山吹色の菓子がある。
　これで我慢なされよ。」

「んんんっ！　銀紙包みとは丁寧にどうもありがとう。」

「なんで銀紙なんだよ？」

「いや、最初から銀紙に包まれていたでござるよ。」

「最初から？なんだそりゃ？」

「じゃ、マルス君はそういうことで。
　んんん。
　総員、撤退っ！」

「ちゃきーん。」

「わかったわかった、とっとと帰れ。」

「あばよ、裏切り者。」

「だからそれはお前だぁぁぁぁぁぁぁっ！！！！！」

「ぜーはーぜーはー。」

「行ったようでござるな。」

「……なぁ、はじめからこうすればよかったんじゃないのか？」

「かもしれなぬな。」

「ところで、今の山吹色の菓子って、いくらつつんだんだ？」

「拙者もよく知らぬ。置いてあったものを持ってきただけで。」

「持ってきた？どこから？」

「そのうち説明するでござる。」

「……なんかイヤな予感するけど、それよりアーク代官を探さねぇとな。」

「左様左様。」

「……どこだ！アーク代官っ！でてこいっ！！！」