TITLE: 第13の機構 −王都に告げる風雲急−

大陸歴 599 11 24 ブランドブレイ王国
首都ブランドブレイ
都市中心街
大陸標準時 3:45 pm

MESSAGE:
「……恐らくここが一番、
 王都ブランドブレイで一番広い通りだよな。
 馬車も悠々とすれ違えるぐらいに。」
「それで、この辺りに何か目印があるのです?」
「みゅ、あの馬車は目印ですか?」
「いや、動くモノは目印にしたらダメだ。
 えっと、さっき写してきた絵葉書の古地図によれば、
 大通りの東側に軍の駐在所があったことになっている。  でも、そんな話は聞いたことないよな……うーん。」
「軍?騎士団ではなくてですか?」
「騎士団がまだ正式に成立する以前の地図のようだな。
 つまりは、まだラファエル王国と呼ばれた
 統一国家が存在していた頃の名残があった頃の。」
「らふぁえるおうこくって、なんですか?」
「ああ、そうか。
 リタはまだ初等学校卒業してないんだったな。
 昔、この大陸には一つの大きな国家があってな。」
「みゅ?ひとつの国、ですか?」
「そう、ブランドブレイもカイザリアもエルメイキアも、
 かつては全部ひとつの国家だったんだ。
 その頃の名前が、ラファエル王国というわけだ。」
にゃー。
「それは固有名詞を消失した後世の人間達が便宜上呼んだ名称で、
 正しくは『ウラノスの騎士団と人類による統治国家』と言う、
 と猫が言っていますわ。」
にゃー。
「ウラノスの騎士団と人……えーと、なんだそれ?」
「みゅ、早口言葉ですか?」
「さぁ。このシュレディンガーの猫がそう言っていただけですわ。」
にゃー。
「本当に猫がそんなこと言うのかよ。」
にゃー。
「わらわの言う事を信じないならもういいにゃん、ぷい。だそうですわ。」
「ぷいっ、て。」
にゃー。
「それはともかく、この地図なにかおかしいんだよな。」
「みゅ、宝の在処がどこにも描いてないですか?」
「いや、それは元から書いてない。
 大通りから派生する横道やら曲がり角やら、
 ほとんど全部位置が違うんだ。どういうことだ?」

MOVE:
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