TITLE: 第13の機構 −王都に告げる風雲急−

大陸歴 599 11 24 ブランドブレイ王国
首都ブランドブレイ
沿岸貿易街
大陸標準時 4:45 pm

MESSAGE:
「しかしこうして改めて眺めると、ずいぶんと堅固な石橋だな。
 それで、確か運河の幅が少し狭くなっている場所が
 どこかにあるって話だったな。えーと……。」
「この橋桁の土台の、階段部分の事かしら?」
「見回す限りでは、
 川幅が狭まっている場所は他にはなさそうだし、
 恐らくはここだろう。」
「みゅー、このどこかに秘密があるですね!」
「いや、実際にあるかどうかは分からないが、
 手がかりがあるとすればたぶんここだろう。
 ……ああ、なるほど。」
「どうしたのです?」
「もしこの運河がかつては道路だったとすれば、
 今の大通りよりもっと広い通りがここにあった事になる。
 だとすれば古地図にあった軍の駐在所が、現在の建物とちょうど位置的に重なる。」
「一応辻褄は合うわけですわね。」
「そういうことになるな。
 ……あの騎士団長の話はあまり信じたくはないが。
 だが、この土台と階段に何か秘密があるとは……。」
「みゅー、この階段の石積み、ここだけ少し色が違うです。」
「あら、本当ね。ここの一箇所、不自然に白っぽいわね。」
「よく気付いたな、リタ。
 ……そうか、背が低いからちょうど目に付くのか。」
「えへへ、おにーちゃんに褒められたです。もっと色々探してみるです。」
「あ、おい、あんまりはしゃぐと危険だぞ。」
「うろうろうろうろ。」
「この石を押して……も、反応はなし、か。
 ただ、少しだけ挿入感のようなものがあるな。
 このブロックだけ他の積み石と噛んでいないような。」
「うろうろ……!おにーちゃん!」
「どうした、リタ?」
「ここにも白っぽい石あったです!」
「あら、本当。こっちのと同じような色ね。」
「……もしや。
 リタ、ちょっとその石を押してみてくれるか?
 あ、いや、俺が合図したらだ。」
「みゅ、わかったです。」
「いち、にーの、」
「みゅーっ!」

ゴウンっ ――ギィィィィィ

「きゃっ!?」
「階段が割れていくです!」
「いや、割れてるわけじゃない。
 途中の段がいくつかまとまって横に引っ込んでいるんだ。
 こんなところに隠し穴があったとは……。」
にゃー。
「シュレーディンガーの猫もびっくりしていますわ。」
「猫じゃなくてもびっくりだろう。」

ギィィィィィ  ガコンッ

「完全に入り口が開いたか。どうやら垂直な穴のようだな。」
「ねぇ、もう夕方ですわよ。このまま探索を続けるのです?」
「そうだな……軽く中の様子だけ覗いたら、一旦戻ろう。」
「みゅー。探検はお預けですか?」
「ああ。暗くなると厄介だからな。ひとまず確認だけだ。」
「わかりましたわ。」

MOVE:
どこに移動しますか?
階段を下りてみる

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イベント名『もう一箇所の地下遺構入口』
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