首都ブランドブレイ 沿岸貿易街
大陸標準時 8:00 pm □

	「みゅ、リタのおうちはこっちです。」
	「しかし、本当に遅い時間になっちまったな。 　こいつの親御さんになんて説明するべきか――。」
たったったっ
	「ん？　足音だ！　誰かこっちに走ってくるぞ！」
	にゃー！
	「え、隠れるですか？」
	「ダメだ、間に合わない……って、あれ。」
たったったっ
	「…………はぁ、はぁ。」
	「なんだ、脅かすな。誰かと思ったら――」
	「逃げろ。」
	「はい？……何だって？」
	「いいから逃げろ！　早くっ！！！」
	「どういうことだ。 　……！ 　まさか、俺たちを閉じこめた犯人を知っ――。」
だだだだだだっ
だだだだだだっ
	「ん？２月騎士団？」
	「みゅみゅ、なんだか取り囲まれたですよ？」
	「……余は、逃げろと忠告したぞ。」
	「随分と難儀な事をしてくれたもんだね。」
	「……コペルニクス元騎士団長？ 　どうしてここに――。 　！！！　まさか、グロリアを！」
	「安心したまえ、 　あのお嬢ちゃんは無事だ。 　まだ眠ったままではあるがな。」
	「なんでこんなことを！」
	「ふっ、それは私の台詞だ。」
	「……誰？」
	「言葉を慎め！こちらにおわすお方は――。」
	「構わん。今は事実関係の把握が優先だ。」
	「みゅ……このおっちゃん何かコワイです……。」
	「ふっ。私はおっちゃんではない。 　……む？、昔どこかの小娘にも似たような事を言われたな。 　まぁそれはどうでもよい。」
	「リタ、お前はその猫と一緒に後ろに隠れてろ。」
	「わかったですっ。猫さんぎゅっとしてるですっ。」
	…………。
ささっ
	「それで、騎士団まで引き連れて何の用だ。」
	「ふっ、単刀直入に問おう。 　貴様らは運河の封印を解いてまで、一体、何をしようとしていた。 　いや、それより地下要塞に関する情報をどこで手に入れた。」
	「……何故そんなことを言わなくちゃならないんだ。」
	「素直に話した方が身の為だ、ラグランジュ君。」
	「！！！」

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イベント名『いきなり包囲網(1)』
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