TITLE: 第13の機構 −運河に通じる古代要塞−

大陸歴 599 11 24 ブランドブレイ王国
首都ブランドブレイ
地下遺構
大陸標準時 6:20 pm

MESSAGE:
「話が途中だったな。
 それで、どうしてその迎撃砲とやらの跡地が
 地下要塞なんかに?」
《ディオキスという新しい敵が生まれたからよ。》
「ディオキス?」
《正式名称、ヒト科ヒト・ディオキシリボ核酸突然変異種。
 人類とは別の方向へと進化――あるいは退化した、
 もう一種類の人類。》
「!?!?」
《一体何が正統種――つまり、あたしたちとディオキスを分けたのかは知らない。》
《だけど、確実な事はひとつだけあった。
 正統種とディオキスは共存できない。
 あたし達が生き残るためには、彼らを滅ぼすしかなかった。》
「随分短絡的だな。」
《それは貴方があの時代を知らないからよ。
 彼らディオキスは……ヒトを喰らおうとしたのよ。
 そのために人類は、廃墟の中で戦うしかなかった。》
「読めてきたぞ。
 それでこの対……なんだっけ、とにかく砲台跡が、
 要塞として転用されたってわけか。」
《そう。元々が軍事施設だったから、
 レーションも豊富だったし、籠城もできた。
 シェルター代わりになったのよ。》
「リリィ、
 お前も人間だった頃、
 この要塞の中に入ったことはあるのか?」
《ううん。あたしはずっとシャロンの研究所にいたから。》
「シャロン?
 どこかで聞いたと思ったら、ラファエル王国の幻の首都の名前か。
 ……本当にあったんだな。」
《途中から軍司令部はエリスに移動したけどね。
 今の魔導に大きく分けて二通りの進化があるのは、
 そのどちらで開発されたかによるの。》
《でも、そのどちらも、もうどこにも無いわ。
 ディオキス滅亡後に訪れたエンディルとの戦いで、
 虚数空間に破棄されたから。》
「破棄?」
《時空の裂傷を負ったのよ、戦場となったシャロンが。
 だから宰相エルネストの元、
 土地をまるごと虚数空間に投棄したの。》
「……大陸中探索しても廃墟のかけらすら見付からない
 って話は聞いたことがあったが、
 裏にそんな真実があったのか……。」
「みゅー、なんだか難しい話してるです。」

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イベント名『要塞ができるまで』
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