TITLE: 第13の機構 −闇夜に下る宰相命令−

大陸歴 599 11 24 ブランドブレイ王国
首都ブランドブレイ
沿岸貿易街
大陸標準時 9:50 pm

MESSAGE:
「戦うべき相手に対する情報は多い方がいい。
 二度と失敗はできない。
 もう私には、後がないのだ。」
「戦うべき……?長官、それはどういう――。」
「――貴様は、『ソース・オブ・ナレッジ』か。」
「そーす……?」
「あのような愚鈍な連中と同一には考えないで頂きたい。
 私は命令によって動いている。
 420年前から存在する、ただひとつ至上命令のためだけに。」
「……420年前だと?貴様の所属組織を名乗れ。」
「Number 13.」
「答えるつもりはないということか。」
「今はこれ以上情報を与える筋合いもなければ、
 ここで捕まるつもりもない。
 なにより戦うために、あの技がまだ完成していない。」
「後ろは水路だ、逃げ場はないぞ。」
「いや、まさにそこが逃げ場だ――。」

すっ

「!? まさかっ!」
「さらば。」

ひゅっ


ばっしゃああんっ

「運河に飛び込んだ!?」
「ふっ。水路の封鎖は?」
「もも、申し訳ありませぬ!
 まさかその様な逃げ方をされるとは思いもよらず、
 何ら警戒をしておりませんでした……っ。」
「夜の闇と水面反射で行方を眩ましたか。
 引き続き周囲を捜索。
 急がせろ!」
「はいっ。」

たったったっ

「おにーちゃん!」
「リタ!」

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イベント名『闇夜の運河』
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