Forbidden Palace Library 番外編 3番街の物語

民家 3番街地図 3番街地図

ローラ 「あっ……いたっ……ちょっとー、そんなきつく縛らないでよっ!」

オーロラ 「そうでしてよ!
 わたくしにそのような趣味はなくってよ。
 どちらかと言えばむしろ縛る方が……。」

??? 「っだぁぁぁぁっ!
 誤解されるようなことを言うなぁぁぁぁっ!
 単に両腕を括り付けてるだけだろうがぁぁぁっ!」

??? 「でも、確かに手つきが慣れているよな。
 ……もしやとは思っていたんだが、
 ひょっとしてそういう趣味……なのか?」

??? 「ってお前まで誤解するなぁぁぁぁぁっ!……ぜーはーぜーはー」

??? 「……ま、まぁそういうことにしておこう。
 しかし、まずいところを見られたものだ。
 注意力が足りなかったか。」

??? 「ったく。しかもこんな子供に、だ。」

ローラ 「子供とは何よ。こう見えても花も恥じらう16歳……」

??? 「うそつけ。どう見ても6歳程度だろうが。」

ローラ 「……なんでばれたのかしら?」

??? 「見ればわかるわい、そんなもの。」

??? 「で、お嬢ちゃん、名前は?」

オーロラ 「ほほほほほ、人に名を聞くときは自分から先に名乗るべきではなくって?」

??? 「そ、そうか。俺はスチュアート=ベル……」

??? 「って馬鹿野郎っ!身分隠しているのに、自分から名乗る馬鹿がどこにいるっ!」

ローラ 「そこに。」

??? 「……確かに。」

??? 「う、うるせえっ!
 おい、お前ら。
 ふざけた真似をするとただじゃすまないぜ?」

ローラ 「ってことはふざけたことをするとお金が貰えるのかなぁ?」

オーロラ 「ほほほほほ、それはお得ですわねぇ。」

??? 「そのタダじゃねぇぇぇぇぇっ!……ぜー、ぜー。」

??? 「……お前さぁ、子供と口喧嘩して負けてどうするんだよ?」

??? 「う、うるせぇっ!」

??? 「で、お嬢ちゃん方、痛い目に遭いたくなければ名乗ってくれないかな?」

オーロラ 「ほほほほほ、誰が貴方なんかに……」

ローラ 「そうよそうよ。」

??? 「おい、何か殴るのに適当な木の棒でも持ってこい」

ローラ 「あたしローラ。ローラ=セルシウス。年齢7歳。」

オーロラ 「あ、ローラ、姉のわたくしを差し置いて名乗るとはずるくってよ。
 わたくしはオーロラ=セルシウス。
 シェザのセルシウス家の長女として生まれ……」

??? 「保身を選びやがったな、こいつら……」

??? 「……だがどの道、会話を聞かれたからには、このまま帰すわけにもいくまい。」

ローラ 「あー、詐欺ーっ!嘘つきーっ!人を騙したわねっ!」

??? 「ってお前ら……」

??? 「おい、我慢しろ。
 所詮、子供の言うことだ。
 今は任務が最優先だ。」

??? 「確かに。俺達がカイザリア帝国から使わされた、隠密兵だということを知られては……」

??? 「馬・鹿・野・郎っ!だから自分から身分を明かす奴が何処にいるっ!」

ローラ 「そこに。」

??? 「……確かに。」

??? 「う、うるせぇうるせぇっ!」

??? 「……もうお前は余計なことを喋るな。とにかくここは……」

??? 「そこまでだっ!」


ばぁぁぁぁあんっ!

??? 「と、扉が……真っ二つに!?」

??? 「……馬鹿野郎、あの扉はもともと観音開きだ。」



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