Forbidden Palace Library #J01 『真実の抹消者(前編)』

『真実の抹消者(前編)』


ブランドブレイ王国 王都
シュレーディンガー邸


ガタンっ

グロリア 「……誰?誰かそこにいるの?」


…………。

グロリア 「誰なの?一体こんな夜中に何の用?」


…………。

ジャンヌ 「……あーあ、見付かっちゃったか。」

グロリア 「!? 女の子?」

ジャンヌ 「ま、自力で探すのに飽きてきたところだし、丁度いっか。
 ねぇ、この家にレインエッジがあるでしょ?
 どこにあるか教えてくれない?」

グロリア 「貴方は、誰?」

ジャンヌ 「こんばんは、泥棒でっす☆」

グロリア 「……やけに陽気でお喋りな泥棒さんね。」

ジャンヌ 「だって無口だと怖いでしょ?
 それに女性に危害は加えたくないのよねー。
 ほら、アタイも一応オンナノコだし?」

グロリア 「それで、レインエッジと言いましたわね。」

ジャンヌ 「そ、この家のどこかにいるんでしょ?」
 あ、しらばっくれても無駄よ?
 ちゃんとその辺りの情報は揃ってるんだから。」

グロリア 「……ふぅ。そうみたいですわね。」

ジャンヌ 「んで、どこ?」

グロリア 「貴方が今腰掛けている、引き出しの中ですわ。」

ジャンヌ 「あっらー。
 兄弟元暮らしとはこのことね。
 ……あれ、灯台もと暗し、だっけ?」

グロリア 「あまり頭は良くなさそうですわね。」

ジャンヌ 「なんかいった?」

グロリア 「いいえ、別に。」


がさごそ

ジャンヌ 「んー、布に包まれた木箱があるけど、これ?」

グロリア 「……違う、と言った所で聞かないのでしょうね。」

ジャンヌ 「じゃあこれね。」


かぱっ


▽……。



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