Forbidden Palace Library #J01 『真実の抹消者(前編)』

『真実の抹消者(前編)』


ブランドブレイ王国 王都
地下遺構

ラグランジュ 「……――俺は。
 俺は、誇りあるブランドブレイの騎士団の一員だ。
 そしてその騎士団の掟に従うなら。」

アーノルド 「従うなら?」

ラグランジュ 「最優先事項は、国家反逆者の追討になる。
 ステヴィン長官――いえ、
 ジェイムス=エディソン。」

ジャンヌ 「!」

アーノルド 「!!!」

ラグランジュ 「五月騎士団の名に於いて、
 貴方を国家反逆罪並びに諜罪の廉で逮捕する。
 抗う場合には、即刻処刑とする。」

エルネスト 「ふっ。なかなか賢い判断だ。それでいい、ラグランジュ。」

アーノルド 「ラグランジュ!3対2だぞ、ラグランジュ?!

アーノルド 「考え直せ。数の上でも勝ち目はないぞ。」

ラグランジュ 「……俺は、
 騎士団の使命に従うだけだ。
 それでも俺は、騎士なんだ。」

ジェイムス 「どこまでも騎士の本分に忠実というわけか。
 いいだろう。
 お前に守るものがあるというのなら、仕方あるまい。」

ジェイムス 「宰相エルネスト暗殺のために、
 大陸中を駆け回りこの剣を探し出した。
 かつて銀狼帝レインが使った、二本のレインエッジを。」

エルネスト 「ふっ。カーボンブレイドごときが地上最強だと思うな。」

ジェイムス 「なんだと……?」

エルネスト 「最強の矛も、最強の盾も世の中には存在しない。
 かつてアルゲンタインでその兵器の残存を知った後、
 メルフィアに作らせた対抗武器がここにある。」


しゅるっ

ジャンヌ 「先割れの剣……?」

エルネスト 「正確には呼称などないのだが、
 いままでは音叉剣と呼ばれる事が多かった。
 そしてもう一つの名は、共鳴崩壊剣。」

ジェイムス 「なっ!?」


▽……。



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