Forbidden Palace Library #J01 『真実の抹消者(前編)』

『真実の抹消者(前編)』


ブランドブレイ王国 王都
地下遺構

エルネスト 「これ以上、猶予は与えぬ。」


すわっ!

ぐわぁぁぁあんっ

アーノルド 「なんだ、この衝撃は……っ!?」


ジャァァアッ――ガキンッ!

ジャンヌ 「え、剣が挟まれたっ!?」

ジェイムス 「引き抜け、ジャンヌ!」

エルネスト 「ふっ、遅いっ!」


キィィィィィンっ

ジャンヌ 「!?」


パラパラパラパラ……っ。

ラグランジュ 「なっ……!?」

ジャンヌ 「え、あれ、剣が――。」

アーノルド 「ち、ちょっとまて!!!一体何が起こったんだ!?」

エルネスト 「双軸の共鳴により炭素分子の結合を解除した。
 柄だけ残した剣など、最早脅威ではない。
 残りもう一本も、すぐに砕いてくれよう。」

ジャンヌ 「……師匠っ!」

ジェイムス 「プラン2に変更だ。
 我らは格闘術のみで行くしかないようだ。
 アーノルド、剣を掲げろ。」

アーノルド 「え?」

ジェイムス 「早くしろ!」

アーノルド 「お、おう。」

エルネスト 「ふっ。何をするつもりだ?」

ジェイムスイ・シェキル・ハルウェイラ――

エルネスト 「!?
 待て、何故貴様がその魔導を知っている!?
 とうの昔に消失したはずだぞ!」

ジェイムス雷よ我が手より解き放たれん、サンダー!!!


バチバチバチッ

ヴ……ンっ

アーノルド 「剣が光り出した!?」

ジェイムス 「……本当なら二本ともこの状態で戦いたかったのだが、やむを得ん。」

エルネスト 「ふっ。やっと全てが繋がったぞ。
 この真価のために、失われた雷撃魔導を掘り起こしたか。
 15年も前から、実に周到な準備だ。」

ジェイムス 「いや。15年よりもっともっと長い歳月を掛けた。
 だがそれも全て今日で終わる。
 つぁッ!蹴りィッ!」


ザッ

ラグランジュ 「早いっ!?」


シュッ

エルネスト 「くっ、音叉剣が重くて避けるのに精一杯とは。  ラグランジュ!  この剣は貴様が使え!」

ラグランジュ 「え?」


カランカランっ

アーノルド 「!?」

エルネスト 「その代わり、もう一本のカーボンブレイドは貴様が片づけろ。」

ラグランジュ 「――っ!?」


▽……。



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