Forbidden Palace Library #J01 『真実の抹消者(前編)』

『真実の抹消者(前編)』


ブランドブレイ王国 王都
地下遺構

ラグランジュ 「……そういう事みたいだ、済まないな、ベル。」

アーノルド 「いや、俺こそスマン、ラグランジュ。」

ラグランジュ 「謝る事はない。
 君は君の道を選んだ、俺は俺の道を選んだ。
 それだけだ。」

アーノルド 「一つ聞かせてくれないか。」

ラグランジュ 「なんだ?」

アーノルド 「どうしてあの男の味方をするんだ?
 本当に騎士としての本分だけが理由なのか?
 別に何か理由があるんじゃないのか!?」

ラグランジュ 「……その通りだ。
 だが、今ここで言う訳にはいかない。
 済まない。」

アーノルド 「……分かった。
 だが、俺にはジャンヌを生きて連れ戻すという使命がある。
 全力で行くぜ。」

ラグランジュ 「…………。」

アーノルド 「てぃやっ!」


ギィィィンっ

ラグランジュ 「……っ!」


ギンっ ギンっ!

ラグランジュ 「くっ!
 双軸の共鳴とか言ってたが、
 一体どうすれば……っ!」

アーノルド 「破壊される前に、そいつを破壊すれば俺の勝ちなわけか!」


ギィィィィィンっ!

ラグランジュ 「ぐっ……一撃一撃が重いっ!」

アーノルド 「なるほど、小手先は利くが――力は俺のが強い!やぁっ!」


ギィィィィィンっ!

ラグランジュ 「くっ、
 振り回して威力を増してるのか……!
 その分隙はあるが、この慣れない剣では――。」

アーノルド 「いつまでも防戦か、ラグランジュ!」

ラグランジュ 「――こうなったら、遠心力には遠心力で対抗だ!っはあっ!」


ブンっ

ブンっ

パキィィィィィンっ

ラグランジュ 「!!!」

アーノルド 「!?」


ぱらぱらぱらっ……。

アーノルド 「なっ!」

ラグランジュ 「え?」

アーノルド 「カーボンブレイドが音叉剣と相打ち!?」

ラグランジュ 「…………さぁて。お互いこの後どうする、ベル。」


▽……。



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