『真実の抹消者(前編)』
「……そういう事みたいだ、済まないな、ベル。」
「いや、俺こそスマン、ラグランジュ。」
「謝る事はない。
君は君の道を選んだ、俺は俺の道を選んだ。
それだけだ。」
「一つ聞かせてくれないか。」
「なんだ?」
「どうしてあの男の味方をするんだ?
本当に騎士としての本分だけが理由なのか?
別に何か理由があるんじゃないのか!?」
「……その通りだ。
だが、今ここで言う訳にはいかない。
済まない。」
「……分かった。
だが、俺にはジャンヌを生きて連れ戻すという使命がある。
全力で行くぜ。」
「…………。」
「てぃやっ!」
「……っ!」
「くっ!
双軸の共鳴とか言ってたが、
一体どうすれば……っ!」
「破壊される前に、そいつを破壊すれば俺の勝ちなわけか!」
「ぐっ……一撃一撃が重いっ!」
「なるほど、小手先は利くが――力は俺のが強い!やぁっ!」
「くっ、
振り回して威力を増してるのか……!
その分隙はあるが、この慣れない剣では――。」
「いつまでも防戦か、ラグランジュ!」
「――こうなったら、遠心力には遠心力で対抗だ!っはあっ!」
「!!!」
「!?」
「なっ!」
「え?」
「カーボンブレイドが音叉剣と相打ち!?」
「…………さぁて。お互いこの後どうする、ベル。」