『真実の抹消者(後編)』
「追いつめたぞ、ステヴィン長官――いや、ジェイムス!」
「くっ!」
「歳月を掛けすぎた。
国家反逆罪で貴方を逮捕する!
法により然るべき後に……えーと、なんだったっけ。」
「――定型文を忘れたな、愚か者め。」
「とにかく、大人しくお縄を頂戴しろ!」
「するわけがないだろうっ。
中隊最後の一人となっても、
私は戦い続ける。」
「ジェイムスっ!」
「おい、いたぞ!」
「!!!」
「シルバニア王立軍か!」
「賊はそいつだ、包囲しろ!」
「ぇええええ!?
いや、ちょっとまて、逆だ逆!
犯人はそいつだ!」
「騙されるな、その騎士団長は外交手続き無しでシルバニアへ入国した!」
「ちょっ……待てよなんで俺が悪者になってるんだ!?」
「構わん、両方逮捕しろ。」
「ちっ。」
「あ、おいっ!」
「動くなっ!お前もだっ!」
「ぐぁっ……きゅうっ。」