Forbidden Palace Library #J02 『真実の抹消者(後編)』

『真実の抹消者(後編)』


シルバニア王国 王都
繁華街展望台

ボイス 「人命よりも、その魔導原本とやらの方が大事であると。」

ウェルナー 「だとしたら、何だと言うのだね。」

ボイス 「ウェルナー将軍。
 俺は昔、貴方を尊敬していた。けれど――
 部下思いだった貴方は、長い歳月の間に変わられてしまった。」

ウェルナー 「……何が言いたい、ボイス?」

ボイス 「幸い、今ここには我々しかいないということです。」


スラリッ

ウェルナー 「……? ボイ――――。」


ザシュッ

ウェルナー 「……ス!!!」

ボイス 「ウェルナー将軍、鍵を持つ貴方がいなくなれば、
 全ては闇の中だ。
 真実を抹消すれば、奴らは手がかりを失う。」

ウェルナー 「ボイス……お主……っ!!!」


ザシュッ

ウェルナー 「ゴハァっ――。」

ボイス 「我々が守るべきは伝説ではない、人命だ。」


ザシュッ

ボイス 「国民を守ろうとしない将軍など、王立軍には必要ない!」


ザシュッ ザシュッ

ボイス 「……これでいいんだ。
 俺の運命は、あの日からずっと血塗られているのだ。
 今更、光の道など歩くことは叶わぬ。」

ボイス 「例え、心が叫び(ラウド)を呼び起こそうとも。」


……カカッ

エルネスト 「ふっ。これは予想外な。」

ボイス 「!?」

エルネスト 「まさか将軍が、既に死んでいようとは。」


▽……。



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