「なんだ?
高枝切りバサミなら見ての通り間に合ってるぞ。
ちゃっきんちゃっきん。」
「いえ、そうじゃなくて……ってなんで城壁に高枝切りバサミが?」
「深く追求するな。で、何のようだ?」
(とっても気になるんだけどなぁ。)
「えーとですね……。
今日の午前10時頃、エリーゼ師団長はここにいらっしゃいました?」
「ああ。確か午前中なら確かにいたぞ。そう、確かここだここ。
右足をここに、左足をここにして立っていたぞ。
そう、そして左手がここで……」
(……なんでこの人はそんな事まで覚えているの?)
「そうですか。どうも。
では失礼。」
「なんだ。
もう行ってしまうのか。
もう少しゆっくりしていってはどうだ。」
「いえ、そんなゆっくりしていられないので……。」
「つれない奴だな。
よし、わかった。
ならばこの俺様の華麗なる高枝切りバサミについて……。」
「結構ですってば。
じゃ、失礼しますね。
では。」
「いいか、この刃についたこの紐を……おい、聞いてるか?」
「さてと。次はどこに行こうかなぁ……。」
「おーい、無視するなぁ。」
(今のところ出会った師団長達の中で ○アリバイがあるのは…… エリーゼ師団長、
×アリバイがないのは……
か……。 |