「ちっ! これでもくらえっ!
ヴァレル・ディ・メーゼ 我が手に輝ける炎を!
ファイアーボールっ!」
「うわわわわわっ!」
「シルバニア都市法第7条第3項!
街中で攻撃魔導を行使した者に対しては攻撃魔導の行使を許可する!
アシスト師団長、この法律を知らないわけじゃないでしょうね!」
「はっはっはぁっ! 知るか、そんなこと!」
「あー、また逃げようとしてるし、アシスト師団長。」
「キュセル・ミリル・メリル
凍てつく槍よ 的を射れ!
アイスアローっ!」
「はっはっはぁ!
その程度の魔導が効くと思ったかぁ!
たかが義務教育で習った程度の護身用魔導で勝てると思うなよっ!」
「へぇ……言ってくれるじゃない。
シェイス・ウェイン・フィーリアス
白き濃霧よ彼の者を抱け!フォグ!」
「うおっ!?視界がっ!?何故お前がこんな高度な魔導を使える!?」
「今よっ!」
「あ、はいっ!
アシスト師団長、ボイス将軍のクッキーを食べた容疑で
連行させていただきたいんですが……ダメですか?」
「ちょっとねぇ、そんな弱気でどうするのよっ!」
「えー、でもそんなこといっても相手は一応師団長ですし……。」
「ここで負けてたまるかぁっ!
レクスィ・セスラ・ウィール
空より……。」
「遅いっ!蹴りぃぃぃぃぃっ!」
ごすっ!
「うぐっ!」
「私を甘くみないことね。こう見えても義務教育修了後、
バレンタイン高等学院の戦術科で学んでいたのよ。
対攻撃用魔導の一つや二つぐらいちゃんと身につけているわ。」
「ぐっ……この俺としたことが……不覚。」