「そ、そんな殺生な……。」
「そうそう。
俺はまだ家のローンが残っているから、
減給はこいつだけってことで。」
「ちょっとまてそれはずるいぞ、アシスト。」
「口答えしたから二人とも減給2カ月。」
「あうー。」
「ちっ。こんなことならクッキー全部食べておくんだった。」
「……減給3カ月。」
「はっはっはぁ、馬鹿でぇ。」
「お前も減給3カ月。」
「はうー、どうしてぇぇぇ。」
「なにはともあれご苦労だったな、秘書。」
「あ、いえ、まぁ一応任務でしたから……。
あれ?
ボイス将軍、残ったクッキーまだ食べていなかったんですか?」
「ああ。そうだな。まぁ、これを食べながらこいつらの……」
コンコン
「ん?誰だ?」
「遅れました。アークライトです。」
「よかろう。入れ。」
「王立軍第1師団長アークライト、只今参りました。
……おや、君はボイス将軍の密書。
そうか、やはり君の方が早かったのか。」
「は、早かったのかって……まさか、いままで、ずっと!?」
「そうだねぇ。そういうことになるのかねぇ。」
「……アークライト師団長って一体。」
「あ、クッキー見つけ。もらいっと。ぱくっ。」
「あ…………。」
「おい…………。」
「知らねーぞ。」
「……アークライト。よくも……よくも儂のミルククッキーを……。」
「もぐもぐ……あ、これ美味しいねぇ。
ところで用件ってのは?……あれ?
どしたのみんな?真っ青な顔して?不健康だよ?」
「アークライトっ!
今すぐそこに直れぇっ!
この手で成敗してくれるわぁぁぁぁぁっ!」
「うーん、なんかやばそうな雰囲気なので帰りますね。じゃっ!」
「あ、逃げた。」
「おいっ、秘書っ! 追加で任務を与えるっ!
アークライトの馬鹿を捕まえてこいっ!
いますぐにだっ!」
「む、無理ですよっ!
相手が悪すぎますよぉっ!
どこにいったか見当すらつきませんよっ!」
「わかった。じゃあ君は本日付けで解雇と。」
「そ、そんなぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」
おしまい。
▽あとがき