「どうしたんですか?」
「さっきマルスの奴、ナトリウムが云々と言ってたよな?」
「ええ、それが何か……?」
「ナトリウムってな、俺も魔導の実験で時々使うんだが、水に触れると爆発するんだ。」
「!」
「……日の出……水……ってことはもしかしてっ!?」
「……ああ。
たぶんこの噴水だな。
というわけで秘書、ちょっと見てこい。」
「……え?
えー?私がですか?
だって水冷たいじゃないですか……。」
「……おお、そうか。
よし、なら準備運動してからでもいいぞ。
そのぐらいの時間はあるだろう。」
「……結局、私が行くんですね。分かりました、いいです、やります……。」
「いやー、ものわかりの良い秘書で助かるなぁ。」
じゃぶじゃぶ……
「どうだ?それらしいものはあったか?」
「んーと、こっちは特に異常はないし、こっちも……あ!
噴水の射出口に、試験管っぽいものがはまっているみたいです!
これ、垂直に抜けば平気ですかねぇ?」
「あ、少しでも揺らすと爆発……。」
「ええっ!?」
「なんてことはないから安心しろ。
……ん?
どうした?そんな呆けた顔して?」
「……いえ、別にいつものことだからいいです、もう。
よいしょ、ぐいっと……あれ?
中に油っぽい液体と、白っぽい欠片みたいなものが入ってますよ?」
「なるほど。朝になって噴水が動き出した時、
試験管ごとが吹っ飛んでナトリウムが池の中に……ってわけか。
…………なかなかいいな、これは使えるアイディアだ。」
「はい?
あのー、アシスト師団長?
今、何かとても危険なこと言いませんでした?」
「いやいや、なんでもない。
さて、無事危険物は回収したし。
撤収するか。」
「そうですね……クシュンッ!」