王都シルバニア
城壁
東の空から夜が迫り、蒼穹を紺碧へと塗り替えていく。その闇に続くように、星々がぽつりぽつりと降り始める。
冬の空が澄み渡っているためだろうか、その輝きがやけに目映い。
けれど、星明かりでは街を照らすことは出来ない。そのため夜になると、街の各所に魔導の明かりが灯されていく。
この城壁とて、その例外ではない。
(なんで魔導の明かりって独特の色をしているんだろう……。
白というか銀というか……なんて表現すればいいんだろう。
なんとなく優しい色をしているんだよなぁ……。)
(あれ?
そういえば高枝切りバサミを持った兵士がいないなぁ。
どこにいったんだろう……。)
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