Forbidden Palace Library #02 前例なき犯罪


王都シルバニア
城壁

天から迫り来る黒い闇を打ち返すかの如く、城壁の上には一定間隔で魔導の明かりが灯されている。
白き城壁はその光を反射することで、まるで自身が輝いているかのように、玲瓏たる姿を顕示している。

この白亜に映ゆる城壁のお陰で、遠方からの旅人も道に迷うことはないという。
……ただ一人、アークライト師団長を除いては。


「あ、いた!」

ベル 「なにっ!?どこだっ!?」

「あそこのゴミ箱の後ろですっ!」

マルス 「んんん。
 見つかったかっ!
 昼間ずっと一人でかくれんぼをして特訓してたんだけどなぁ。」

「ひ、一人でかくれんぼ……それってすごく空しくないですか?」

マルス 「んんん。ないしょ。
 ……ところでアシスト君。
 話は戻るけどマルス君のお手伝いをする気はない?」

アシスト 「うーむ。
 お金にはちょっと困ってるけど、
 でもせっかく手に入れた師団長の地位を手放すのも……。」

マルス 「んんん。じゃあおまけにナトリウムのかけらをあげるからさ。
 ほら、きっとアシスト君の魔導実験に役立つと思うよ。
 もうオイルごとあげちゃう。マルス君太っ腹ぁ。」

アシスト 「乗った!」

ベル 「ちょっとまてぇぇぇぇぇっ!
 おい、アシスト、戻ってこいっ!
 だいたいマルス、なんでナトリウムの欠片なんか持ち歩いているんだよっ!」

マルス 「趣味。」

ベル 「趣味でそんなもの持ち歩くなぁぁぁっ!」


ごーん ごーん ごーん ごーん ごーん ごーん ごーん


マルス 「んんんっ!7時の鐘が鳴ってしまったか。
 というわけで食事の時間なのでマルス君帰るね。
 では諸君、ごきげんようっ!」

ベル 「ごきげんようじゃねぇぇぇぇぇっ!」

アシスト 「ってちょっとまてっ!
 こらマルスっ!融資の件はどうするんだっ!
 おい、逃げるなっ!」

「……アシスト師団長、もうそれしか頭の中にないでしょ?」

アシスト 「もちろんっ!」

▽中央公園へ行く
▽このまま城壁にいる
▽繁華街へ行く
▽住宅街へ行く
▽裏路地へ行く



▽書庫に戻る


OWNER
Copyright(c)1997 FUBUKI KOGARASHI (木枯 吹雪) fubuki@kogarashi.jp 日本語でどうぞ。