「なんで屋根の上なんかにいるんだよ……。」
「んんん、だってこの方が格好いいじゃん。」
「……それだけの理由でわざわざ屋根の上に?」
「うん。」
「あほかぁぁぁぁぁっ!」
「……マルスさん、
一つ聞きたいことがあるんですけど……。
なんで空のゴミ箱なんか爆発させようとしているんですか?」
「んんん。空のゴミ箱って底に腐敗ガスが溜まっているのが多いから、
ちょっと火を入れただけですぐに爆発するんだ。
ああ、あの爆発音が……うっとり。」
「ひょっとしてこいつ……ただ単に爆発音が聞きたくてこんなことやってたのか?」
(あ、あぶない人だなぁ……。)
(ボイス将軍といい、この人といい、どうして変なロマンを持った人ばかりなんだろう……。)
「ちょっとまてアシスト、あくまでそれが第一かいっ!」
「もちろん。で、いくらだ?」
「んんん。5万リル……」
「日本円換算で250万円ってところですね。」
「我が友よっ!」
「おいこらちょっとまてぇぇぇぇっ!」
「……って言いたいけどお金無いから1リル程度なら。」
「日本円換算で50円ってところですね。」
「だからお前さっきから誰に説明しているんだよ?」
「…………。
マルス、すまないが君とのつきあいもこれまでだ。
いい思い出をありがとう。」
「だぁぁぁぁぁぁぁっ!お前もころころ意見を変えるなぁっ!」
「……交渉決裂というわけか。
んんん。まあ仕方ない。今日の所は引き上げるとしよう。
では諸君、また明日っ!」
「ちょっとまてぇぇっ!」
「…………」
「…………」
十分経過。
「……マルス、何を企んでいる?」
「ゴミ箱の爆発。」
「いや、そうじゃなくて。
さっきから屋根の上でじっとしたまま何をしようとしているんだ?
『では諸君、また明日っ!』と言ったきり動こうともしないし。」
「……まさか……怖くて降りれないとか?」
「あ、ばれた?」
「素直に助けてくれって言わんかいっ!」
「助けて。」
「やけに素直だな。」
「んんん、俺田舎では素直のマルちゃんで有名だったから。」
「ま、まるちゃん……。」
「お前の田舎ってどこだよ?」
「え?…………いや、そう急に聞かれても。」
「ちょっとまてこらっ!急に聞かれて何故困るっ!?」
「ああ、そうそう、セリフォス島。確か。」
「た、確かって……一体……。」
「んんん。固いこと言わないで。ね。そーゆーことにしといて。」
「俺もセリフォス島出身だけど知らないぞ。」
「ああ、そうそう、確か氷都シェザ。そこが俺の故郷。そうそう。」
「確かレナード副将軍がシェザの……」
「んんん、いや、実は港町アンヴェリアルサットの……」
「……シェザの出身じゃなくてアンヴェリアルサットの出身……」
「やっぱりシェザなんだな、これが。」
「何威張ってるんだよお前は。」
「いいじゃん。」
「よくねぇぇぇっ!」