「ええ、さっきベル師団長が……。」
「裏切ったのねっ!」
「まずいですね……。」
「きっとエリーゼ師団長達、仕返しに来るでしょうねぇ。」
「……副将軍、ご命令を。」
「総員撤退!大至急にだっ!」
「え、あのー、私もですか?」
「奴らに捕まりたいのならば別だが。」
「そこまでよっ!」
ばきぃっ!
「と、扉が……。」
「話は全てベル師団長から聞いたわ。」
「や、やーねぇ、エリーゼちゃん、怒っちゃい・や☆」
「レナード、アーク、ユリア、秘書。
まさかこんな事をしてただで済むなんて思ってないよなぁ?
お返しは3倍返しが基本だしな。」
「そ、そんなぁぁぁぁぁぁ。」
「…………作戦失敗。総員、戦略的撤退っ!」
「要するに逃げるんですね。」
「…………。
イ・ライナ・メリア 我が足よ、大地を風の如く駆けよっ!ダッシュッ!
というわけでおっ先にぃー☆」
「あー、ユリアさん、俊足の魔導なんてずるい。
とか言ってないで僕も逃げなくちゃ。
じゃ、僕もこれで。」
「そうはさせるかっ!
あ、おい、こら、ちょっとまてっ!
アークっ!お前が一番やっかいなんだから逃げるなっ!……ちっ!」
(こ、この隙に私も……あれ?足が前に…進まない…え?)
「え、いや、あのぉ。
よければその足を掴んでいる手、離してくれませんかねぇ?
……ダメですか?」
「秘書。君には選択する権利がある。
1、俺達の協力をするかわり君のことを見逃す
2、あくまで抵抗して俺の魔導の実験台になる。」
「3番の協力しないで私だけ見逃すってのがいいんですけど……ダメ…ですよね?」
「ほほお、そうかそうか、4番の問答無用で実験体がいいか。」
「そ、そんなぁぁぁぁぁっ!
わ、わかりましたよっ!
1番っ!手伝いますよっ!」
「ふむ、なかなか物わかりが良くて助かる。」
「……秘書さん、とりあえずその銀色の外套を脱いだらどうかしら?」
「あ、はい、そうします。」
「で。これからどうするの、アシスト師団長?」
「探すしかないだろ、奴らを。
なにはともあれ……。
まず、簡単に見つかりそうな奴から探して行くべきだな。」
「とすると……レナード師団長ね。」