王都シルバニア
繁華街
冬の昼は短い。
午後にもなればあっと言う間に日は暮れ、早々と暗い夜が訪れる。
限られた昼を有効に使おうとしているのか、繁華街は人々の活気で溢れている。
ふと空を見上げれば、そこには繁華街とは対照的に静かでどんよりとした冬の雲が一面に広がっている。
今にも、白い雪をこぼしそうな空が……。
「あっ!いたわよっ!
ちょっと、そこの銀色の外套を着た貴方っ!
止まりなさいっ!」
(って言われても……つかまらないように逃げ回れってのが命令だし……)
「あくまでこっちの命令を無視する気ね。
……アシスト師団長!
捕まえるわよっ!」
「ったくなんで俺がこんなことを……。」
(……なんで私がこんなことを……。)
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