「あ、あらぁ?
ウィルバーちゃんどうしたの?そんなに怒っちゃってぇ?
駄目よ、ちゃんとカルシウムはとらなくちゃ……。」
「とぼけても無駄だ。ユリア、覚悟は出来ているんだろうな?」
「そんなぁ☆あたしはただ二人の為を思ってぇ☆
まぁその隙にちょっと覗こうかなぁとか企みもしたけど☆
ささいなことじゃないっ☆ねっ☆」
「とか言いながらまた逃げてますね、ユリア師団長……。」
「ちょっとまてっ!おいっ!こらっ!」
「……逃げ足、早いですねー。」
「ちっ!こんなことなら俺も俊足の魔導を覚えておくんだった!
しかしユリアの奴をどうやって追いかけるかだな……。
俊足の魔導を使っている以上、普通に走ったところで追い付けはしないだろうしな。」
「……あきらめません?やっぱり?」
「飛行魔導を行使するという手もあるがこんな狭いところで使うのは危険過ぎるしな。
……そうか。簡単な方法があった。
全ての町中の明かりを消せば奴は出てくるはずだ。」
「え?」
「あいつは極度の暗所恐怖症だからな。」
「でも、そんなことどうやって!?」
「確かに。
緊急事態に於いて街灯を全て消す命令を出せるのは
将軍ボイスのじーさんか、レミティアーナ女王陛下だけだし……。」
「でもボイス将軍、クッキー買いに行っちゃっていませんよ。」
「そうか!ということは……。
今はレナードがシルバニア王立軍及び王都シルバニアの全権指揮を握っているはず。
奴になんとかして命令を出させれば……。」