Forbidden Palace Library #03 花束を彼女に


王都シルバニア
繁華街

街灯には魔導の明かりが灯され、綺麗に敷き詰められた白い石畳を照らし上げている。
だが空を照らすには力不足なのだろうか、視線を上へとずらしていくと街灯の明かりが灰色の雲の重圧に精一杯耐えているかのように見える。


エリーゼ 「あ、いたいた。アシスト師団長!それに秘書さん!」

アシスト 「お、エリーゼ。」

「おかえりなさいませ。」

コペルニクス 「ちゃっきんちゃっきん。」

「あのー、危ないからそれ振り回さないでいただけません?」

コペルニクス 「…………。」

「いや、あの、睨まれても……。」

アシスト 「で、どうだった、エリーゼ?」

エリーゼ 「ええ、レナード師団長にはたっぷりとお説教をしてきたわ。
 ついでにこれ。街灯再灯火許可証。
 さっきこれ貰うの忘れていったでしょ?」

アシスト 「ああ。そうだったな。
 それがなければユリアを見つけた後も街灯が消えたままになっちまうからな。
 ありがとよ。」

エリーゼ 「いえ、どういたしまして。」

「……二人とも息がぴったりですねぇ。」

エリーゼ 「ち、ちょっと秘書さんっ!」

アシスト 「ほぅ……秘書、ちょっとそこを動くなよ。」

「や、やだなぁ、冗談じゃないですかぁ。ははは。
(……は、早く話をかえなくちゃ……。)
 ……あ、でも本当に街灯消すだけでユリア師団長出てきますかねぇ?」

アシスト 「ああ。おそらくじきに……」

ユリア 「暗いのいやぁぁぁっ! 我が手中に一時の灯火をっ!ライトっ!

アシスト 「……な?」

エリーゼ 「あっちから聞こえたわよっ!」


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