Forbidden Palace Library #03 花束を彼女に


王都シルバニア
繁華街

街灯には魔導の明かりが灯され、綺麗に敷き詰められた白い石畳を照らし上げている。
だが空を照らすには力不足なのだろうか、視線を上へとずらしていくと街灯の明かりが灰色の雲の重圧に精一杯耐えているかのように見える。


ユリア 「怖い怖い怖い暗いの怖いぃぃぃぃっ!」

エリーゼ 「あそこよっ!捕まえるわよっ!」

「えーと、じゃあユリア師団長、ちょっと失礼します……。」

ユリア 「きゃーきゃー暗いのいやぁぁぁぁぁぁぁぁぁ。
 ごめんなさいぃぃぃぃっ!
 わたしが悪かったから明かりを付けてぇー」

アシスト 「……はっはっは。どうしようかなぁ。」

ユリア 「ウィルバーちゃんごめんなさいあたしがわるかったからぁぁぁぁぁ」

エリーゼ 「ま、ユリア師団長にはこのぐらいでいいんじゃない?
 本人相当怖がっているみたいだし。
 ……お説教するまでもないわね。」

アシスト 「……そうだな。おい、コペルニクス、もう付けていいぞ。」

コペルニクス 「イェッサー!ちゃきーん!」

「いや、だからなんでそこで高枝切りバサミを……。」

コペルニクス 「というわけだ、兵士諸君。
 各自持ち場の街灯に魔導の明かりを付けてまわれっ!
 以上っ!ちゃきーん!」


5分経過。


コペルニクス 「では俺様はこれで。」

アシスト 「ああ。ご苦労だったな。」

コペルニクス 「ちゃきーん。」

「……もう何言っても無駄なんだろうな……。」

ユリア 「ぐすっ……ぐすっ……暗いのいやぁ……ぐすぐす。
 アークぅ。どこにいるのぉ。
 怖いよぉー。ぐすぐす。」

「ユリア師団長が極度の暗所恐怖症だって噂、本当だったんですね……。
 って、ユリア師団長、どこに行くんですかぁ?
 ……あーあ、行っちゃった。」

エリーゼ 「これで残るはあと一人。」

アシスト 「最後に残ったのが……。」

「一番やっかいな人ですね……。」

エリーゼ 「アークライト師団長……ね……。」

「……あきらめません?」

アシスト 「初志貫徹。」

「……………………ふぅ。」


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