「あそこよっ!捕まえるわよっ!」
「えーと、じゃあユリア師団長、ちょっと失礼します……。」
「きゃーきゃー暗いのいやぁぁぁぁぁぁぁぁぁ。
ごめんなさいぃぃぃぃっ!
わたしが悪かったから明かりを付けてぇー」
「……はっはっは。どうしようかなぁ。」
「ウィルバーちゃんごめんなさいあたしがわるかったからぁぁぁぁぁ」
「ま、ユリア師団長にはこのぐらいでいいんじゃない?
本人相当怖がっているみたいだし。
……お説教するまでもないわね。」
「……そうだな。おい、コペルニクス、もう付けていいぞ。」
「イェッサー!ちゃきーん!」
「いや、だからなんでそこで高枝切りバサミを……。」
「というわけだ、兵士諸君。
各自持ち場の街灯に魔導の明かりを付けてまわれっ!
以上っ!ちゃきーん!」
5分経過。
「では俺様はこれで。」
「ああ。ご苦労だったな。」
「ちゃきーん。」
「……もう何言っても無駄なんだろうな……。」
「ぐすっ……ぐすっ……暗いのいやぁ……ぐすぐす。
アークぅ。どこにいるのぉ。
怖いよぉー。ぐすぐす。」
「ユリア師団長が極度の暗所恐怖症だって噂、本当だったんですね……。
って、ユリア師団長、どこに行くんですかぁ?
……あーあ、行っちゃった。」
「これで残るはあと一人。」
「最後に残ったのが……。」
「一番やっかいな人ですね……。」
「アークライト師団長……ね……。」
「……あきらめません?」
「初志貫徹。」
「……………………ふぅ。」