Forbidden Palace Library #03 花束を彼女に


王都シルバニア
住宅街

大通りから少し離れた区域に広がる住宅街。
繁華街から入ってくると路地が狭く感じられるが、それでも他の都市に比べれば充分な道幅を有している。これは戦時の行軍を考慮しての径だと言われている。
もっとも当の住人らにはそのような意識などなく、広い路肩は荷物置き場として使われてしまっているのが現状である。

家々の窓からは明かりと共に楽しそうな笑い声が聞こえてくる。


「しかしボイス将軍ってクッキー大好きですよね。」

アシスト 「ああ。
 俺がはじめて会ったときも、あのじーさんクッキーがどうのこうのと
 言ってたからな。」

「それっていつの話ですか?」

アシスト 「大戦中の話だから……今から3年前だ。
 ……懐かしいな。
 あの頃はまさか俺がこの国の師団長なんかになるとは思ってもみなかった。」

「あれ?そういえばアシスト師団長って、
 もともとこの国の兵士でもなんでもなかったんですよね?
 それがどうして師団長の地位なんかに……?」

アシスト 「俺の口から言うべき事じゃないから俺は言わない。
 知りたければ誰か他の師団長に聞いてくれ。
 ……別に無理して聞かなくてもいいぞ。」

「はぁ…………。」
(今度エリーゼ師団長にでも聞いてみようっと。
 たぶんあの人なら知っているんだろうな……。)


▽中央公園へ行く
▽城壁へ行く
▽繁華街へ行く



▽書庫に戻る


OWNER
Copyright(c)1997 FUBUKI KOGARASHI (木枯 吹雪) fubuki@kogarashi.jp 日本語でどうぞ。