Forbidden Palace Library #03 花束を彼女に


王都シルバニア
住宅街

大通りから少し離れた区域に広がる住宅街。
繁華街から入ってくると路地が狭く感じられるが、それでも他の都市に比べれば充分な道幅を有している。これは戦時の行軍を考慮しての径だと言われている。
もっとも当の住人らにはそのような意識などなく、広い路肩は荷物置き場として使われてしまっているのが現状である。

ふと、ユリアが一軒の家の前で足を止める。
『ケイン=アークライト』表札にはそう書かれていた。


エリーゼ 「あったわ。ここね。」

アシスト 「明かりがついているところを見るともう帰ってきているようだな。」

ユリア 「アークぅ、いるのお?」

「にしても、なんで師団長達ってこんなに広い家に住んでいるんですか?」

アシスト 「一応、国から支給されるからな。
 もっとも、週に一回は城への宿泊勤務があるけどな。
 ……さて。問題なのは……この家のどこにいるかだ。」

「非常に難しい問題ですよね。
 なんといっても六畳一間で遭難する人ですから。
 家まではたどり着けるのに、なんで家の中で迷うんでしょうね?」

アシスト 「……まぁ、とりあえず入るか。」

エリーゼ 「じゃあ私は裏口を固めるわ。これで逃げ出せないはずね……。」

ユリア 「アークぅ、アークぅ、暗いの怖いよぉ。」


▽家の中に入る



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