「やっほー☆
ねーねー、秘書ちゃん。
うちのおじいちゃん、今どこにいるか知らない?」
「そ、それが……。
昨晩遅くにクッキーを買いに行くと言って出かけました。
なんでも新しいお店がオープンしたとか……。」
「あら?初耳ぃ☆
どこにオープンしたの?
繁華街にそれらしきお店はなかったみたいだけど?」
「そ、それが……港町アンヴェリアルサットまで……。」
「アンヴェリアルサットって……。
隣々国カイザリアの帝都!?
うっわー、おじーちゃんって職務怠慢ー。」
(それはボイス将軍に限った事じゃないと思うんだけど……)
「明後日に新規兵士の採用面接試験があるのに……。
……どうすればいいんだろう。」
「……ってことは当分おじーちゃんは戻ってこないわね。
ははーん☆
こ・れ・は、いいチャンスねー☆」
「は?
あ、あのー、ユリア師団長?
ひょっとして何かよからぬ事企んでませんか?」
「あらぁ?
別にあたしは人のためになろうと思ってぇ☆
よからぬことだなんて、そんなあ☆ じゃ、またねぇ☆」
(……絶対にあれはよからぬ事を企んでいると思うんだけどなぁ。)