「…………。」
「……行ったな」
「ええ☆」
「どうしたんですか?みなさんニヤニヤ笑って?」
「では、本当の計画に移ろう。」
「本当の計画?どういうことですか?」
「……あの二人に出した命令は偽の命令だ。」
「なんでわざわざそんなものを?」
「さぁ、それが僕にもさっぱり。」
「アーク、あんた昨日からの作戦会議に参加してたでしょっ!何を聞いてたのよっ!」
「別にさっきの話が完全なでっちあげで、
エリーゼさんとウィルバーさんを無理矢理くっつける為に作られた、
なんて話は聞いてないですねぇ。」
「ちゃんと聞いてんじゃないの。
まあ、そういうことよ。もうあの二人見てると焦れったくて。
うるさいおじーちゃんがいない今ならできるわっ!」
「……ユリア師団長。
ひょっとして……。
昨日言ってたチャンスってこれの事ですか?」
「ぴんぽーん☆
そ・こ・で☆
秘書ちゃんにも手伝って貰おうと思ってぇ☆」
「はい?私にですか?」
「秘書、ここに君の体のサイズにぴったりの銀色の外套がある。」
「……あのー、ひょっとして……まさか?」
「そうだ。君には犯人役になってもらう。」
「そ、そんなぁぁぁぁぁぁっ!?」
「いいか。
奴らに捕まらないように逃げ回れ。
そしてあいつらが疲れた頃にこれから教える指定地点に誘導するのだ。」
「その前に私の方が疲れる気がするんですけど……。」
「何か言ったか?」
「いえ、何も。」
「そこに閉じこめられて、やむを得ず一晩を過ごすことなれば……。
きゃあ☆
もう、破廉恥ねぇ☆」
「……破廉恥も何もこの計画言い出したのお前だろうが。」
「やーねー☆
グリフィスちゃんったら☆
細かいこと気にしないの☆」
「あ、いたんですか、ベル師団長。最近影が薄いから……。」
「しくしくしく」
「話を戻すわね☆
あのねあのね、ある程度アシスト達を引っ張ったら城壁の側にある廃屋へ逃げ込んで。
この地図を見て……ここ、ここ。いい?ここにエリーゼちゃん達を閉じこめるの☆」
「城壁の側ですか?そんなことしたら城壁の警備隊が……。」
「安心しろ。
コペルニクスには既に話はつけてある。
銀色の外套を着て覆面した奴が近づいても追いかけるな、と。」
「コペルニクスって……誰ですか?」
「ん、ああ。
説明するのを忘れたな。
城壁の守備隊長の名前だ。」
「手順はわかった?あ、これがカモフラージュの仮面ね。
じゃあ秘書ちゃん、よろしくねぇ☆無事閉じこめたら連絡ちょうだいね☆
そう、いいこと?絶対に声とか出さないのよ。正体ばれちゃうから。」
「無事閉じこめたらって……こっちが無事じゃすまない気がするんですけど……。」
「文句は後にして貰おう。
これは副将軍命令だ。
だが、ボイス将軍がいない今、実質的には将軍命令であることを忘れるな。」
「…………どこで間違っちゃったんだろう、私の人生。」