Forbidden Palace Library #04 彷徨いし来客


王都シルバニア
中央公園前

夏は若々しい緑に覆われるこの公園も、冬ともなれば白亜に染まる。
ここシルバニアは高緯度に位置しているため、多量の雪が降るのである。

日暮れ時になったからだろう、もう子供達の遊び声は聞こえない。


「……おかしいなぁ。」

アークライト 「てくてくてく。」

「アークライト師団長、ちょっと待って下さい、ストップ!」

アークライト 「ぴたっ!」

グラン 「……アークライト殿、
 なにも片足上げた姿勢のまま静止せずとも
 良いと思うのでござるが……。」

アークライト 「うん。そっか。」

グラン 「して、如何なされた、秘書殿?」

「いえ、それがあの、
 さっき中央公園を横切って、
 それから先に……進んだ……ような……?」

アークライト 「うん。どうかしたのかい?」

「……道は間違えていないんですけど、なんで戻って来ちゃうんだろう?」

グラン 「左様か左様か。」

アークライト 「うん。ゆっくりしていると時間に間に合わないよ。」

「あれー、ちゃんとまっすぐ歩いてるはずなんだけどなあ……。」


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