Forbidden Palace Library #04 彷徨いし来客


王都シルバニア
繁華街

昨夜から今朝方まで降り続いた大雪も、既にそのほとんどが大通りから姿を消している。
要塞都市シルバニアにとって交通網の確保は最重要課題であり、そのために王立軍が全力を挙げて除雪作業に取り組んだ結果である。

凍えるような冷たい風が吹きすさぶ中、人々は早足に家路へと急いでいる。


「……あれ?どうして繁華街に来ちゃったんだろう?
 確かさっきあそこの角を曲がって……曲がって……
 あれれ、やっぱりここに来るはずないんだけどなぁ……。」

グラン 「む?いかがなされた?」

「いえ、それが……。
 先ほどからずっとお城を目指して歩いているはずが、
 気が付けばいつのまにか違う路地に出ているんですよ。」

アークライト 「うん。僕が先に歩くと誰でもそうなるらしいんだ。」

「え?そうなんですか?」

グラン 「拙者も以前その様な話を聞いた覚えがあったでござるな。」

「……そういう事は先に言ってくださいよ。」

アークライト 「うん。だって聞かれなかったから。」

グラン 「左様左様。」

「…………今までの苦労は一体……。」


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