Forbidden Palace Library #04 彷徨いし来客


王都シルバニア
王城 2階 階段前


「アークライト師団長っ!
 どこにいるんですかー!?
 いたら返事してくださいよぉっ!?」

グラン 「……アークライト殿の方向音痴は遺伝だというから仕方なかろう。」

「え?アレって遺伝なんですか?」

グラン 「そうらしいでござるよ、うむうむ。
 なんでもアークライト殿の祖父殿も若かりし頃に生まれ故郷で遭難し、
 未だに実家に帰れずシルバニアに留まっているという話でござる。」

「う、生まれ故郷で遭難って……。」

グラン 「なんでもそれを聞いたアークライト殿の母親殿が、
 息子にニノ轍だけは踏ませまいとして幼少時から
 自宅にだけは帰れるよう必死に特訓したという話でござる。」

「アークライト家って一体……。
 って半ば呆れて感心してる場合じゃなかった、
 今は本人を探さないとっ!」

グラン 「左様か左様か。」


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