Forbidden Palace Library #04 彷徨いし来客


王都シルバニア
王城 2階 本館廊下


「あっ!」

アークライト 「やあ。」

「やあ、じゃないですよ。
 ですから勝手にうろうろしないで、
 ちゃんとついて来てくださいってば!」

アークライト 「なんだか遠足の引率で困ってる先生みたいな口調だねぇ。」

「誰のせいだと思っているんですか?」

アークライト 「うーん、誰だろう?」

「アークライト師団長、ひょっとして本気で悩んでます?」

アークライト 「うん。もちろん僕はいつだって本気だよ。」

「……グラン駐在大使、一つお願いしたいことがあるのですが。」

グラン 「なんでござる?」

「私とグラン駐在大使でそれぞれ左右から、
 アークライト師団長の両脇を挟みこむような形で
 階段を上っていただけます?」

グラン 「承知。確かにその手なら
 はぐれる事も遭難に巻き込まれる事もないでござろう。
 名案でござるな。」

アークライト 「うん。でもコレなんだか連行されているみたいだなぁ。」

「……誰の為だと思っているんですか?」

アークライト 「うーん、誰だろう?」

「…………。」


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