Forbidden Palace Library #04 彷徨いし来客


王都シルバニア
城壁

町中から集められた雪の山に冬の低い日差しが反射して、白銀の城壁はいつもより目映く輝いて見える。
それは美しくもあり、また眩しくもあり、横を通る人々はみな目を細めている。


コペルニクス 「おや、いつぞやの君か。丁度いいところに来たな。」

「別に好きで来ているわけじゃないです。」

コペルニクス 「照れるな照れるな。
 この俺様の華麗なる高枝切りバサミを見たくて
 来たのであろう。では早速特別講座を……」

「じゃ、そゆことで。」



すたすたすた



コペルニクス 「おーい、無視するなぁ。
 見たまえ、
 パワーアップしたこの俺様の華麗なる高枝切りバサミを!」



ぴたっ



「……パワー、アップ?」

コペルニクス 「そうだ。よくぞ聞いてくれた。
 先ほど知り合ったばかりの盟友マルス殿の力を借りてパワーアップしたのだ。
 いいか、よく聞け、このひもを引っ張るとだな……」



ぼんっ!



コペルニクス 「ハサミのところが爆発を起こすのだ!」

「……マルス、殿?」

コペルニクス 「そうだ。
 このパワーアップをもってすれば、
 新たな華麗なる高枝切りバサミの舞が……」

「どうでもいいんですけど、ハサミがさっきの爆発ですすけてますよ。」

コペルニクス 「うぬっ!?
 し、しまったぁぁ!
 ああ、俺様の華麗なる高枝切りバサミが……ああ、俺様の華麗なる……。」



すたすたすた



コペルニクス 「ああ、俺様の華麗なる……」


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