「んんん。
何か使えそうなモノ落ちてないなぁ。
身近にあるもので、爆発を起こせるようなモノ……。」
「あれ?マルス前師団長?」
「んんん。君かぁ、久しぶりー」
「お久しぶりです。
あ、ちょうどよかった。一つお伺いしたいんですけど、
アークライト師団長その辺で見掛けませんでした?」
「んんん。さっき空飛んでたよ。その屋根の上のあたりをぴゅーっと。」
「ぇえっ!?う、うそでしょぉぉっ!?」
「んんん。そう、嘘。」
「……。」
(一瞬でも信じようとした私って……一体……)
「で、アークライト師団長は見ていませんです?」
「んんん。
なんかさっきその酒場の角あたりをうろうろしてたよ。
その後、通りを曲がってどっか行っちゃったけど。」
「うーん、一歩違いか……どうもありがとうございます。」
「んんん。
気にしないでいいよ。
ところでマルス君からも一つ尋ねたいことがあるんだ。」
「なんですか?」
「んんん。
何か身近なモノで爆発する、
手頃で安全な危険物、知らない?」
(安全な危険物って、そもそも矛盾してるんじゃ……。)
「あー……爆発するかどうかは知りませんが、
危険人物なら城壁に一人。」
「んんん。そうか。さっそく行ってみるよ!」
「あ、いや、あの、本気にされても困るんですけど……。」