Forbidden Palace Library #04 彷徨いし来客


王都シルバニア
繁華街

昨夜から今朝方まで降り続いた大雪も、既にそのほとんどが大通りから姿を消している。
要塞都市シルバニアにとって交通網の確保は最重要課題であり、そのために王立軍が全力を挙げて除雪作業に取り組んだ結果である。

『煎れたて紅茶』と立て看板を掲げた臨時の出店の周りに、少しでもその寒さを凌ごうと人だかりが出来ている。



マルス 「んんん。
 何か使えそうなモノ落ちてないなぁ。
 身近にあるもので、爆発を起こせるようなモノ……。」

「あれ?マルス前師団長?」

マルス 「んんん。君かぁ、久しぶりー」

「お久しぶりです。
 あ、ちょうどよかった。一つお伺いしたいんですけど、
 アークライト師団長その辺で見掛けませんでした?」

マルス 「んんん。さっき空飛んでたよ。その屋根の上のあたりをぴゅーっと。」

「ぇえっ!?う、うそでしょぉぉっ!?」

マルス 「んんん。そう、嘘。」

「……。」
(一瞬でも信じようとした私って……一体……)
「で、アークライト師団長は見ていませんです?」

マルス 「んんん。
 なんかさっきその酒場の角あたりをうろうろしてたよ。
 その後、通りを曲がってどっか行っちゃったけど。」

「うーん、一歩違いか……どうもありがとうございます。」

マルス 「んんん。
 気にしないでいいよ。
 ところでマルス君からも一つ尋ねたいことがあるんだ。」

「なんですか?」

マルス 「んんん。
 何か身近なモノで爆発する、
 手頃で安全な危険物、知らない?」

(安全な危険物って、そもそも矛盾してるんじゃ……。)
「あー……爆発するかどうかは知りませんが、
 危険人物なら城壁に一人。」

マルス 「んんん。そうか。さっそく行ってみるよ!」

「あ、いや、あの、本気にされても困るんですけど……。」


▽中央公園へ行く
▽城壁へ行く
▽住宅街へ行く



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