Forbidden Palace Library #04 彷徨いし来客


王都シルバニア
中央公園

夏は若々しい緑に覆われるこの公園も、冬となれば白亜に染まる。
ここシルバニアは高緯度に位置しているため、多量の雪が降るのである。

林の中から子供達のはしゃぐ声が聞こえてくる。
どうやら木々の幹を盾として雪合戦に興じているようだ。


アーク 「てくてくてく。」

エリーゼ 「いたわっ!噴水の向こう側よっ!
 秘書さん、あなたは右から追いかけてっ!
 私は左から追いつめるわっ!」

「はいっ!」

エリーゼ 「アークライト師団長っ!!!」

アーク 「うん?
 エリーゼ君にボイス将軍の奇書君。
 どうしたんだい?そんなまえうしろから?」

「はぁ……はぁ、やっと捕まえましたよ。」

アーク 「うん。そうか、まいったな。じゃあ今度は僕が鬼かい?」

エリーゼ 「鬼ごっこしているんじゃありませんっ!」

アーク 「そうか。それは残念だ。僕むかし鬼ごっこ強かったんだよ?」

「それはともかくアークライト師団長、確かグラン駐在大使を迎えにいったはずでは?」

アーク 「うん。」

「それで、その肝心のグラン駐在大使は?」

アーク 「うん。それが途中ではぐれちゃって。」

「……どうやったらお城に向かうだけではぐれるんだろう。」

アーク 「うん。それが僕にもさっぱり。」

エリーゼ 「一刻も早く、グラン駐在大使を探す必要があるわね。
 ではアークライト師団長、
 ひとまず先にお城まで……………………。」

「……どうしたんですか、エリーゼ師団長?真剣に考え込んで?」

エリーゼ 「いえ……もしも。
 もしもアークライト師団長がお城に戻るまでの間に
 またグラン駐在大使に遭遇したら……。」

「あ、なるほど。振り出しに戻る危険性があるんですね。」

アーク 「……君たち、何か先ほどからとても失礼な事を言っていないかい?」

「気のせいです。」

アーク 「そうか。それならいいんだ。」

エリーゼ 「……やっぱり全員一緒に行動した方が安全かしら……。」

「ですね、きっと。
 ……アークライト師団長、
 最後にグラン駐在大使と一緒にいたのはどこか憶えてます?」

アーク 「うん。たぶん繁華街だった気がするんだ。」


▽城壁へ行く
▽繁華街へ行く
▽住宅街へ行く



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