「うわーん、ごめんよお姉ちゃーん。もうしないよぉー。」
「いい、デニス?
本当にわかったの?
危ないからもう公園の池で滑るんじゃないわよ?」
「うん……。」
(お姉ちゃんいつもより怖い……きっと僕、取り返しのつかないことしちゃったんだ。
それできっとこのままどこかに捨てられちゃうんだ。いやだよ、そんなのっ!)
「アリスさん。
その辺にしておいてはいかがかな?
デニス君も反省しているようだし。」
「……あ、はい、レナード師団長がそうおっしゃるのでしたら……」
「ありがとう、おにぃちゃん。
おにぃちゃん優しいね。
ねえ、やっぱり僕のおにぃちゃんになってよ。」
「今、なんと……?」
「デ、デニスっ!何を言うのっ!」
「だ、だって、
この間お姉ちゃん言ってたじゃない、
本当のおにぃちゃんになってもらうにはレナードにぃちゃんとお姉ちゃんが結……」
「……デニス、ちょっといらっしゃい。」
「ああっ!なんだかよくわかんないけどごめんよお姉ちゃんっ!
いい子にするから捨てないでお願いああでもひょっとしたら僕
やっぱりキャベツ畑で生まれたのかもしれないそんなの嫌だよぉごめんよぉ!」
「……なんか取り込んでるみたいですね。」
「そうね。後にしましょうか。」
「さて、王城はどちらでござろうか……。」
「あ、グラン駐在大使っ!」
「え?どこですか?
……ってアークライト師団長、
別にゴミ箱の中覗いてもいないと思うんですけど……」
「うん。そうか。」
「今、あの店の角を曲がったわっ!
おそらくあのまま道沿いに行けば中央公園に……
行くわよっ!」
「あっ!エリーゼ師団長、そんな先に行かないでくださいよぉっ!」
「鬼ごっこか。よし、勝負だ。でもエリーゼちゃん走るの速いんだよねぇ。」
「だから鬼ごっこじゃないですってば」