Forbidden Palace Library #05 異存なき決定


王都シルバニア
城壁

雪は城壁の上にも積もる。
その白き壁の上で周囲を監視する兵士達とは別に、臨時に出動命令を出された兵士達がスコップを手に必死に雪を下ろしている。

城壁から下ろされる雪の粉をかぶったのであろうか、シルバニアの正門前では一人の兵士が上を向きながら高枝切りバサミを振り上げて何やら抗議している。


「あのー、つかぬ事をお伺いいたしますが……」

コペルニクス 「ほぅ、それほどまでに俺様の華麗なる高枝切りバサミを見たいというか。
 今し方、赤いリボンをつけたばかりだ。
 貴様には特別に見せてやろう。」

「いえ、ですから別に高枝切りバサミを見に来たわけでは……
 ……ってちょっと待ってくださいよ、
 どうして高枝切りバサミに赤いリボンなんかつけているんですか?」

コペルニクス 「可愛いだろう?」

「か、可愛いって……
 いえ、ですから抱きしめるのはやめて下さいってば。
 そうやって頬ずりするのもダメです。」

コペルニクス 「…………」

「あの、睨まれても困るんですけど……。」

コペルニクス 「そうか、
 貴様は青いリボンがいいと言うのだな?
 なるほど、それも一理あるかもしれん……」


すたすたすた

コペルニクス 「おーい、無視するなぁ」



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