王都シルバニア
城壁
日は西の空へと沈んだらしく、昼間は灰色だった雲も今は闇色に染まっている。
だが白い雪だけは相変わらず何事もなかったかのようにマイペースにしんしんと降り続けている。
もしかするとこの雪は、シルバニアでは今年最後の雪かもしれない。
やがて冬が明け春の息吹がそよ風と共に訪れる。そしてそれに続く夏の青い空が訪れた頃、南半球に位置するこの大陸は一年を刻み終えることになる。
「むむむ」
「あのー、」
「おお、丁度いいところに来た。一つ聞きたいのだが」
「はい?」
「この高枝切りバサミ、」
「またそれですか……。」
「青いリボンと紫のリボン、どっちか似合うと思う?」
「……は?」
「いや、まてよ、やはり正式な場の為に着飾るとしたら緑という手も……」
すたすたすた
「おーい、無視するなぁ」
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