Forbidden Palace Library #05 異存なき決定


王都シルバニア
繁華街

空にどんよりと浮かぶ憂鬱色の雲からは、雪がしんしんと降り続いている。
その暗さ故に、町の街灯は昼間だというのに灯されたままである。

雪が道路に積もっているせいもあるのだろう。
いつもに比べ人通りは少ない。


「あ、いた、ユリア師団長っ!」

ユリア 「あらー、秘書ちゃん☆
 ちょっと待ってねぇ。
 今この書類にサインしちゃうからぁ☆」

アシスト 「そうはいかねぇなっ!」

「アシスト師団長っ!」

ユリア 「あらー、ウィルバーちゃん☆この勝負、あたしの勝ちねっ☆」

アシスト 「勝負?まだ決着はついていないだろう?」

ユリア 「え?」

アシスト 「エルス・ディ・ヴェーレス 闇の霧よここに集え ダークミストっ!」


ふわっ!

ユリア 「いやぁぁぁぁぁっ!暗いのいやぁぁぁぁぁぁぁっ!」

「ってうわわわわっ!どうして私までっ!?」

アシスト 「というわけで秘書、この書類は俺が貰って行くぞっ!さらばだっ!」

「アシスト師団長っ!
 ……み、見えない……あっ! 
 やっと霧から出れた……あーーっ!アシスト師団長っ!」

ユリア 「いやいやいやぁっ!暗いのいやぁぁぁぁっ!」

「ユリア師団長、しっかりつかまってくださいっ!よいしょ……ふう。」

ユリア 「ぐすっぐすっ……怖いよぉ、アークぅっ!」

「えっと、ユリア師団長。私はアシスト師団長を捕まえに……」

ユリア 「ねぇねぇ、アークはぁ?」

「いえ、そう言われても……じゃあ分かりました。
 アークライト師団長見つけたらここに来るように言付けますから。
 だから私の服の裾持ってるその手、離していただけません?」

ユリア 「ぐすっ……ぐすっ……わかった……まってる……」



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