Forbidden Palace Library #05 異存なき決定


王都シルバニア
中央公園

雪雲という名の季節の渡航者が落としていく白い粉は美しく、そして儚い。
その美しさに惹かれるかのように子供達は天を仰ぎ見、そしてその冬の落とし子を口にしようとするが、白い結晶はすぐに姿を消してしまう。
だがそれでも子供達はあきらめず、次々と降り続ける雪を食べようとあたりをちょこまか動き回っている。

その子供達のはしゃぐ様子を、ベンチの上の猫がぼんやりと見つめている。


アークライト 「おや。どうしたんだい、子女君?」

「秘書です。……だんだん苦しくなってません?」

アークライト 「うん。僕もそう思っていたところなんだ。」

「ええっ!?今までずっとわざとだったんですか?」

アークライト 「うん。何がだい?
 なんとなく返事してみたけど、
 何か重要な事だったのかい?」

「……いえ、いいんです。
 ところでアークライト師団長、
 アシスト師団長見ませんでした?」

アークライト 「うん。とりあえず木の上にはいなかったみたいだよ。」

「……一体どこを歩いて……」

アークライト 「うん。お城の門から町の城壁へと移ってその後木の上に……」

「いえ、やっぱり聞くのやめておきます。」

アークライト 「そうか、それは残念だ。それにしても忙しそうだねぇ。」

「ええ、ちょっと忙しいんです。
 じゃあ失礼しま……
 あ、そうだ。」

アークライト 「?」

「いえ、実は繁華街の方でユリア師団長が泣いているので行ってあげてください。」

アークライト 「泣いてる?どうして?」

「えっと、ごめんなさい、
 ちょっと時間がないので詳しくは本人に聞いて下さいっ!
 じゃあ失礼しますっ!」


たったった

アークライト 「……ジュリアさんが!?……わかった。行ってみる。」



▽城壁へ行く
▽繁華街へ行く
▽住宅街へ行く



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