「……というわけじゃ。」
「……ちょっとまて、じーさん、今何って言った?」
「つまり、
ボイス将軍が元帥に就任するから
将軍の席にレナード師団長が就くという事ですか?」
「うむ。そういうことじゃ。」
「おめでとうございます。」
「おめでとー、レナードちゃん☆」
「よかったな、レナード。」
「ありがとう。」
「おめでとうございます、レナード将軍。
これに伴い今後、私はレナード将軍の秘書となりますので
よろしくお願いいたしますね。」
「ああ、こちらこそ。」
「なあ、一つ質問していいか?じゃあ副将軍の席はどうなるんだ?」
「その事なんじゃがの、誰かやりたい物はおらぬか?」
「かったるいじゃん、そんなこと。」
「確かに面倒くさそうだよな。」
「レナードちゃん、アリスちゃんの所に行っているとき以外は結構忙しそうだしねぇ。」
「そういえば副将軍になるとやっぱり給料あがるんですか?」
「うむ。師団長クラスの二倍じゃ」
「…………。」
「…………。」
「…………。」
「もし誰もいなければ俺がその役引き受けてもいいかなぁ、と。」
「あらぁ、あたしも引き受けて上げようかなって思っていた所なのよー☆」
「そうか。じゃあ次期副将軍は俺って事で。」
「に、にこやかに笑いながら火花散らしてる……。
……あれ?
エリーゼ師団長は興味ないんですか?」
「ええ。今はまだ一個師団を統率するだけでも精一杯だしね」
「……もちろんここはレディファースト……」
「いやいや、若い者に席を譲ると言うことで……」
「そうだよアシスト、お前俺より若いくせに、いつも……」
「いいか、グリフィス、後から生まれてくる方がその分進化して生まれて……」
「なによ、それは私が年増だっていいたいの?まだ27才よ、私は。」
「……28じゃなかったか?」
「似たようなもんでしょ、十の位を四捨五入すれば0になるんだから。」
「何故十の位を四捨五入……」
「なぁに、秘書ちゃん、何か文句あるわけ?」
「いえ、別に……師団長達、ちょっと怖いんですけど。
あれ?
ボイス将軍……じゃなくてボイス元帥、ひとつお伺いしたいんですが、」
「クッキーならやらんぞ。もぐもぐ」
(この人、クッキー食べるとき律儀にお皿の上で食べるんだよなあ)
「いえ、ふと疑問に思ったんですが、
どうすれば正式に副将軍に認められるんですか?」
「うむ。この書類にサインするだけじゃ。
既に女王陛下の印と、儂とレナード将軍のサインが書かれている。
この署名欄に自分の名前を書けばそいつは晴れて副将軍というわけだ。」
「なにっ!?」
「え?」
「ほ、本当か?」
「うむ。で、立候補したい人は?」
「はいっ!」
「はいっ!」
「はいっ!」
「……じゃあ3人で話し合って決めるんだな。
決まったらこの書類にサインをすればそれで副将軍に認められる事になっておる。
そうそう、秘書、この書類はお前に預けておく。」
「……え?」
「アークライト、ただいま参上。」
「ってなんで窓から入ってくるんですか?ここ3階ですよ?」
「あ、アーク、いいところに来てくれたー☆
あのねあのね、ちょっと手伝って欲しいことがあるんだけどぉ☆
今晩、お料理作りに行って上げるからぁ☆」
「……ここはマルスの奴に応援を頼んで……」
「……グランに協力してもらうか……。」
「では今日の会議はこれまで。以上」
「ち、ちょっと待って下さいよぉぉぉぉっ!
ってああっ!ボイス元帥っ!レナード将軍っ!
帰らないで下さいお願いっ!」
「秘書、俺とちょっと話し合わないか?」
「秘書ー☆ちょっと俺といいところに行かないかい?ね☆」
「だからウィンクはやめて下さいってば」
「秘・書・ちゃん☆」
「……えっと……じゃあ私はこれで失礼しますっ!」
「あっ!逃げたぞっ!」