Forbidden Palace Library #06 揺れるその瞳


王都シルバニア
王城3F 新館

王城の建物群の中で最も新しい建物が、ここ新館。
本館の400年以上という歴史に対して僅か100年前に作られたこの建物には、女王専属の従者や料理人、そして王城警備兵の宿舎が設けられている。


アシスト 「いたぞっ!捕まえろっ!」

レナード 「三十六計、逃げるにしかずっ!!!」

「だめですっ、距離が遠すぎますっ!」

アシスト 「ちっ!使えない奴だっ!腕をこうもっと伸ばして後ろから羽交い締めとか……」

「そ、そんなの無理に決まってるじゃないですかぁぁぁっ!」

コペルニクス 「ちゃきーん」

「うわっ!突然現れないで下さいよっ!びっくりするじゃないですかっ!」

アシスト 「!!!そうだっ!!!」

「?」

アシスト 「コペルニクスっ!
 その高枝切りバサミを伸ばしてレナードの持ってるあの紙を切り落とせっ!
 なるべく大部分をっ!」

「……え?」

コペルニクス 「イェッサーっ!」


ちゃきーんっ


はらりっ

ユリア 「!」

エリーゼ 「!!」

「!!!」

アシスト 「紙の半分が……やったっ!」

レナード 「しくじったか……計画が露見したからには即実行に移すしか……。」

「あ、レナード将軍逃げちゃいましたよ?」

コペルニクス 「……どうだ、俺様の高枝切りバサミの威力は」

(とりあえずこの人は無視しよう……。)

ユリア 「でも、とにかくこれでA計画の半分は手に入れたのよね☆」

エリーゼ 「もう、強引なんだから……。」

アシスト 「なんて書いてある?秘書、読んで見ろ」

「えっと……

案5、
街灯の下で待つ。
そしてさり気なく出会ったふりをして声を掛けそこで告白する。
欠点:長時間街灯の下で立ちつくしているのはいささか不自然すぎる。
よってこの案も却下とする。
案6、
手紙をポストに放り込む。
欠点:AではなくDに早期発見される可能性あり。
よってこの案も却下とする。
案7、
午前中、人通りが多くなる前に直接乗り込み接触。
欠点:初等学校は現在春期休暇中の為、Dの妨害の可能性大。
よってこの案も却下とする。
案8、
深夜、隠密に忍び込み枕元に手紙を置いてくる。
欠点:それだけはやめとけ。
よってこの案も却下とする。

 ……ってこれって……」

ユリア 「……ははぁーん、そーゆーことー☆
 えっ!?っていうことは、
 レナードちゃんまだアリスちゃんと付き合っていなかったの!?」

アシスト 「なるほどな、A計画ってそういうことだったのか」

「そういえばさっき、
 レナード将軍『計画が露見したからには即実行に移すしか』
 とか言って走っていきましたね。」

アシスト 「でも扉は全て閉ざしてあるぜ。
 1、2階にある窓は全開にしても人が通れる大きさまで開くことはない。
 もっとも、窓枠ごと壊されたら話は別だけどな……」

「あ、そういえばさっきベル師団長が2Fの廊下で窓枠壊してましたよ。」

アシスト 「なにぃっ!?
 ちょっとまてよ……あいつの運動神経持ってすれば、
 2階から安全に飛び降りることぐらいたやすいはず……」

ユリア 「大変っ!逃げられちゃうっ!」



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