Forbidden Palace Library #07 夜明けの前に


王都シルバニア
パン屋ソフトブレット

木彫りの看板の掲げられた小さなお店。
建物自体には相当の年期が入っていると思われるが、綺麗に掃除されているために古くささをあまり感じさせず、むしろどこか懐かしい雰囲気を醸し出している。

ショーウィンドウ越しに見える店の中では、茶色の髪を持った女性が開店の準備をしているようだ。



からんからん


レナード 「……はぁっ……はぁっ……。」

アリス 「レナード将軍?
 ……どうなさいました、
 そんなに息を切らせて?」

レナード 「……はぁっ……はぁっ。
 アリスさん……もう遅かったかもしれませんが……
 ラブレターは……。」

アリス 「え?はい?ラブレター?」

レナード 「白い封筒の……
 ……その……
 私のアリスさんに対する思いを込めたラブレターは……」

アリス 「……え?」

レナード 「初めて中央公園でアリスさんに出会った2年前から
 私がアリスさんのことをずっと好きだったと書いた手紙……。
 !? もしかして、まだ受け取っていないっ!?」

アリス 「……2年前から……。
 キスしたときよりもずっと前から……
 じゃあ私と同じあの秋から……?」

レナード 「……そ、そういうことになるのだろう。」

アリス 「……初めて、
 私の事を好きって言ってくださいましたね……。
 うれしいです……私も、好きです。」

レナード 「アリスさん……。」

アリス 「……呼び捨てにしてください、レナード。」

レナード 「…………アリス。」

アリス 「はい★」

レナード (……しかし……どういうことだ?)



▽一方その頃。



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