「……ねぇ、どういうことよ?」
「ん?エリーゼ。」
「ロウクス君が何か企みを起こすんじゃないかと思って、
ちょっと前から様子を見てたんだけど……
レナード将軍が書いたラブレター、アリスさんに渡してないってこと?」
「ああ。あいつの書いたラブレターならここにあるぞ。」
「え?じゃあ……?」
「いや、
ああすればレナードの奴あわてて告白に行くだろうと思ってな。
どうせ告白するなら手紙で伝えるよりも言葉の方がいいだろ?」
「……んもぅ。すぐにそうやって色々企むんだから。」
「まぁいいじゃねぇか。
結果的にオッケーなわけだし。
……せっかくだから、ラブレター読んでみようぜ。」
「ちょっと、ロウクス君っ!人の手紙を読むなんて趣味の悪いこと……」
「『愛しの君へ……突然のお便り申し訳ありません。
かねてより、どうしても貴方に伝えたい言葉があったのですが、
長いこと言葉にすることが出来ませんでした。』」
「ちょっと、ロウクス君っ!?」
「『ありきたりな言葉かもしれません。
が、私にはそれ以外に自分の感情を素直に表現する
適切な言葉を知りません。お許しください。』」
「いい加減にしないと……」
「……君がまだ城壁守備隊長で、俺がまだ旅人だった頃。
君の美しい姿は俺の目を奪い、引き寄せて離さなかった。
あの時の胸の高鳴りを、俺は一生忘れないだろう……」
「……え?」
「……いつもは照れてうまく言えないけど、
夜明け前の今なら言葉に出来そうな気がする。
だから、しっかり聞いてくれ。」
「…………。」
「エリー、君のことが好きだ。」
「………………ばかっ。」
「…………。」
「…………。」
「好きだぜ、エリー。」
「……ばかばかばかっ。」
「…………。」
「…………。」
「……なぁ。」
「?」
「抱きしめてて今ものすごく実感していることがあるんだ。」
「なに?」
「…………エリーゼって、」
「ん?」
「………………胸、ないんだな。」
「蹴っりぃぃぃぃぃぃぃぃっ!!!!!」
「……きゅう。」
「もう、知りませんっ!」
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