「パンの焼け具合は……いい感じね。」
「ねぇおねーちゃん、」
「なぁに、デニス?」
「昨日からずっと疑問だったんだけど、きすまーくってなに?」
「き……」
(そういえばこの間、レナード将軍とキスしてしまったけど……
本当に想いは伝わったのかしら?)
「ねぇ、それって丸いの、四角いの?」
(でもあれだけ勇気だしたんですもの。
きっとレナード将軍も胸をときめかせてくれたはずよ。
でも……胸がときめく……だけ?)
「それともおいしいの?」
(あっ!そうよ! 普通の感覚を持っている人だったら
異性に突然キスされたりとか急接近されれば誰だって胸は高鳴るわ。
その動悸を恋に錯覚されたら……だめよ、それは本当の恋じゃないわっ!)
「……おねーちゃん?」
(ううん、だめよ、そこで負けちゃダメっ!
もしそうでも、これから本当の恋にすればいいのよっ!
そうよ、レナード将軍にふさわしい女性になればいいのよっ!)
「うぇええん、おねーちゃんがまた無口になっちゃったよぉっ。
なにが悪いのかよくわかんないけどごめんなさいぃぃっ。
やっぱり僕アスパラ畑で生まれたんだうぇーん。」
「……何か入りづらそうな雰囲気ですよね。」
「ふむ……何か色々と事情があるのだろう。後でまた来るとしよう。」
★★