Forbidden Palace Library #07 夜明けの前に


王都シルバニア
ハーシェル邸

城壁の側、最も明るい区画に建てられたハーシェル邸。
シルバニアの建築法に合わせて塗られた白い家屋は、城壁の上から発せられる魔導の明かりを反射しややまぶしくも感じる。特にこんな真夜中であれば尚の事だ。

それにも関わらず家の中の至る所から、丁寧にも窓という窓の全てから室内の明かりがこぼれてきている。
家の主が寝ていようが寝ていまいが、常にこの家には明かりが灯っていることで有名なのである。


レナード 「アシスト、アーク、エリーゼ、コペルニクス、
 そして本人の証言はまだ取っていないもののベルの行動も判明した。
 すると、残ったのは……」

「ユリア師団長ですね。
 でも、こんな夜中に家に行ったとしても
 まだ外は暗いから起きてこないのでは?」

レナード 「……いや、もうすぐ森の向こうが白み始める時刻だ。
 そうすればユリアも起きてくるはず。
 それまであと少しだけ、どこかで時間をつぶすとしよう。」

「……無理に起こさないんですか?」

レナード 「無理に起こして泣かれる事を考えれば、その方がリスクは低い。」

「泣かれると、どうなるんです?」

レナード 「……アークが怒る。」

「確かにそうすると手に負えなくなりそうですよね……。」



▽アーク邸へ行く
▽アシスト邸へ行く
▽ラントシュタイナー邸へ行く
▽パン屋ソフトブレットへ行く



▽書庫に戻る


OWNER
Copyright(c)1997-1998 FUBUKI KOGARASHI (木枯 吹雪) fubuki@kogarashi.jp 日本語でどうぞ。